第40話

セレーナの表情が翳った。だが、見ている人間が多すぎて、ここで取り乱すわけにはいかない。

「結局、セバスチャンがあなたを連れてきたのね」

エイラは、そう思わせておいた。

セレーナの視線が真珠へ落ちる。「今夜の場には、ちょっと無難すぎない? セバスチャンがもっとインパクトのあるものを選ばなかったなんて意外だわ」

ライラが短く笑った。

「南洋真珠で、粒も色味も完璧に揃ってる。こういうのを“控えめな贅沢”って言うのよ。何もかも、部屋の端まで叫ぶみたいに自己主張しなくたっていいでしょ」

その視線が一瞬、セレーナの赤いドレスとルビーをなぞった。

侮辱はきっちり刺さった。イーサンは笑みを隠すよ...

ログインして続きを読む